バラの剪定・誘引

ベーサルシュートの処理はどうする?

梅雨の黒点病に打ち勝ったつるバラのフランソワ・ジュランヴィルからは、ベーサルシュートが5本もでてきました。トゲがプニプニと柔らかく、5メートルほど伸びた枝先の、紅い新芽が嬉しい

ベーサルシュートとは

ベーサルシュートとは、蘖(ひこばえ)と呼ばれる勢いのある新芽のことです。樹木の切り株や根元から生えてくる若芽で、旧枝から横にでてくる蘖(ひこばえ)はサイドシュートと呼びます。

今年の東京は6月末に梅雨明け宣言で、早くも夏日。ベーサルシュートがたくさんでてきている頃でしょう。

アミ・ロマンティカのベーサルシュート

地植えのつるバラのベーサルシュート処理

一番花の剪定と同時にお礼肥をしておくと、梅雨明けにベーサルシュートがたくさんでてきます。8月が1年で最も台風が多い月なので、強風で折られないよう地植えのつるバラは軽くフェンスや支柱にとめておきましょう。きつく止めると新芽特有の柔茎に傷がついてしまいますから、丁寧に。

おすすめツール!
タカショーのソフトタイを使うと、仮止めしやすいです。針金を厚みのあるビニールでくるんであるので加熱したフェンスに枝が直に当たらないのです。茎をゆるく挟んでネジじったら、残りのタイをフェンスやオベリスクに固定しますので、やや長いほうが使いやすいです。ソフトタイはトマトなど野菜の枝止めにも活躍しますよ!

シュートが出なくなったら

地植えしてから4年ぐらいはベーサルシュートが頻繁にでてきますが、しばらくたつと花数が減り、シュートがでにくくなります。そういうときは、冬剪定の時に枝の更新を行います。若い枝から誘引し、数が足りているようであれば古い枝はこの時に根本から切り落としておきます。

また、冬作業の際に、寒肥をかならずあげて、同時に根きりをすることで株が若返ります。(植物の特性です)堆肥や馬糞など有機質の栄養をあげておくと、再びベーサルシュートがでやすくなります。

四季咲きバラのベーサルシュート処理

地植えの四季咲きバラや鉢植えは、バラの頂芽優勢の植生により、勢いのあるシュートが1本だけ良く育つ傾向があります。地植えの場合は根張りのスペースが広いので、よけいに枝が暴れやすいのが特徴です。

そんな時は、ベーサルシュートが20センチぐらい伸びたポイントで新芽の頭頂部をピンチ(指で折る)します。ハサミを使わず、指で折れるぐらいの細さで行うのがベターです。樹勢が強いとすぐに脇芽が成長します。脇芽がまた20センチほど伸びてきたら再び頭頂部をピンチする、これを繰り返して枝を伸ばし、他の枝とのバランスをとっていきます。品種によっては10センチごとにピンチしてもいいと思います。

蕾もピンチしちゃおう
もし頭頂部に小さな蕾がついていたら可哀想と思わず、摘み取ってください。蕾をつくる代わりに成長パワーが枝づくりに切り替わり、株が充実していきます。地植え、鉢植えともにパワーの源となる液肥もあげるとなお良いでしょう。

ピンチは使い方次第

私はピンチに関して、あまり神経質に考えていません。自然の中で枝が不意に折れてしまうことはよくあること。シュートだって同じ、折れたぐらいでバラが枯れるわけでもない。

ピンチは枝の成長をコントロールする方法。お庭の条件にあわせ、ピンチでバラのサイズをうまく調整できるといいですね。