ローズコレクション

マリーヘンリエッテ

繰り返し咲き性のつるバラ。
18世紀初頭にローズブリーダーとして活躍したマリーヘンリエッテ侯爵夫人にちなんでいます。

ブルーがかったピンク色のノスタルジックな花が印象的で、咲きすすむとクオーターロゼットになります。

ふわっと青みのある甘いバラの香り。微かにスパイシー、爽やかなフルーツを感じます。ワインのテイスティングをする人ならもっとうまく表現できるんでしょうね。

直立に伸びる大型つる性の枝です。鉢植えの場合は心配はないですが、地植えの場合は空間にゆとりのあるお庭向きです。地植えするとメインの幹は3~4年で直径3センチまで太くなります。そこから分かれた枝がまた剛健で。

トゲもすごい痛い。マリーさん、暴れん坊オバさんに化けるので、大きくしたくないなら鉢植えで育てるか、地植えなら主枝の数をしぼるのをオススメします。

その代わりすごく丈夫。病気しない。

幹と枝を選んでバンバンきっても樹勢が強いのでよく育つので、仕立てたい方向へ枝を選んで剪定していく感じです。茎長めの房咲なので一枝切ってまとめるだけでブーケになります。お部屋に飾ると香りがよく花持ちもいいです。

照りのある小さな葉は植え付け直後から旺盛に伸び、厚みがあってタフです。さすが2015年ADR受賞のバラですね。無農薬で放っておいても丈夫ですが、他のバラとあわせてたま~にベニカを散布。月一で化成肥料をあげて3カ月ごとに粉のオルトランを撒くぐらしかしてません。

夏に植えたら秋にはシュートがでて花が咲きました。すごいパワフル。上の写真は4年目、花房の重さがすごいです。枝を下向きにしてるのに蕾がちゃんとつき、咲いてくれます。

正直いうと… 京成パラ園さんがPRに使っている写真、いまいち魅力が伝わらなくて。実物のほうがチャーミングなバラだと思うんです。中心部が濃ピンクで外側が淡く、咲きすすむとやや紫っぽくなる「淑女」、ぜひバラ園で実物をみてください。

難点をいえば、雨に打たれると花弁が痛みやすいこと。だから雨の前に切って部屋に飾ってあげる。あと、春の花弁にすこし凸凹=絞り筋のようなものがあるのが特徴ですね。

病害については噂どおり、梅雨・秋雨にあたっても黒星病がでません。こんなバラってあるの?って病気に手を焼いてきた私にとって衝撃的なバラでした。花は散るものと、咲いた状態のまま茶色く残る場合があるので、花殻切りをしたほうがいいでしょう。

仕立てについて。枝はコルデスの強いバラにありがちな硬くて真っ直ぐなタイプです。シュートたくさんでるので枝替えをしてもいいし、メインの幹を残して大きく育ててもいい。早めに幹を横に倒して脇枝で株の大きさを小さめに調整するか、しっかりとした大きめのアーチかガゼボで大きく仕立てるのに向いていると思います。

大病性・耐寒性・大暑性の3拍子揃う、侯爵夫人の名に恥じない素晴らしいバラ、もっと人気があってもいいと思うのですけどね。

2013年 / ドイツ / コルデス / クオーターロゼット咲き / 繰り返し咲き / 大輪 / 強香 / 樹高2.5m