アトリエだより

甘いランブータンの香り

梅雨入りした都会からぬけだして、スリランカの友人宅でしばらく過ごしました。

彼女の家にはバナナやココナッツなどが非常食として植えてあるのですが、ひときわ目を引いたのがランブータンの樹。鈴なりの実をみて、お腹を空かせた子供たちが食べたくてウロウロしています。みんな木のハシゴをもっているの。

ちょっと外出している間に、ランブータンの実が盗まれてしまいました。ご主人は怒っていましたが、今日はお祭りの日だから許してあげようと言っています。

ご主人がもいでくれたランブータンやパパイヤをいただきながら、庭に果樹がある生活の良さをしみじみと味わっています。ランブータンの、やわらかい外皮を歯で齧りとり指で剥くと白い実がでてきます。味はライチのよう。甘いけれど種も大粒です。

私たちはセレモニーを終えたあと、いくつか世界遺産をめぐりました。シギリヤのカンダラマホテルは、自然をとりいれたデザインが秀逸で、森の中に泊まるような感覚になります。ドアには「必ず鍵をかけてください」と書いてあります。野猿たちが客室のベランダにやってきて、新入りの私たちを観察しながら、バナナやナッツのお土産を狙っているのです。みているぶんにはとっても可愛らしいのだけど!

満月の日はポヤデーといって祝日なのです。満月の空は明るく、路地で悪いことをたくらむ人はいません。綿菓子や焼き菓子の屋台が参道にたちならび、屋台の灯をてがかりに私たちは寺院へ参拝にいきました。

寺院では裸足になって砂の上を歩き、読経をしているお坊さんたちから祝福をいただきます。歩いてはいれない空間に塔のようなオブジェがありました。そのオブジェに向かってコインを投げ、真ん中にコインがはいるといいことがあるそうです。

明るい夜の美しさ、炎の周りで祈る娘たち、紅い僧侶の衣、等など。異国にいるせいか、すべてのことが映画のようです。