ローズコレクション

エブリン

イングリッシュローズの中でも香りの良さで依然人気があるのがシャリファアスマとエブリン。

すでに国内のパテント販売が終了しており、希少なバラとして挿し木で増やしている方が多いようです。

育ててみた個人の感想ですが、ロサオリエンティスやデルバールなどと比べるとものすごく水を欲しがるバラという印象です。

照りのないオールドローズのようなグリーン葉をしていて、水遣りがたりないと葉先がすぐチリチリになります。また、葉水をあげないとダニもつきやすいようです。

強いフルーツの香りと柔らかいティーのラストノート

株が若くても蕾がたくさん付きますが、花の重さのため花首がぐらぐらします。摘んだときに9センチだった花が、室内に飾っている間に11センチまで広がりました。株が充実すると花径14センチほどになりました。

トゲはあまり多くなく、見た目よりも固い枝です。そのため、ステムが細いと花の重さで根本から折れてしまうことがありました。鉢植えの場合は、蕾が付いたら風で揺れない場所へ移すなどケアしたほうが無難ですね。

鉢で育てるならフロリバンダのように扱ってもいいし、あるいは半つるのシュラブとして育てることもできます。株元のあたりには蕾がつかないので、枝咲づくりがポイントです。

寒さに強いが暑さに弱いエブリン

しばらく鉢で育てていましたが、イギリス生まれという環境を日本で再現してあげる必要を感じて、午前中だけ陽があたる半日蔭に地植えしたところ、相性がよかったようで株が大きく育ちました。

植えた直後から明らかに葉がピンとたって元気がよくなり、地植え一か月半で2番花の蕾があがりました。肥料はマグァンプやハイポネックスのNexcoteを少量置き肥しています。

特に薬剤散布はしていませんが、涼しいスペースなので虫も来ないみたい。茎の伸びもよく、背が高くなりました。

その後、するするとよく伸びる枝は1年で2メートルをあっさり超えました。しっかりした幹から太い花茎があがって房咲きに。肥料をあげるとすぐに蕾があがる。

根元あたりから主枝が2~3伸び、サイドシュートが毎年でてきてビックリするほど大型のツルバラに成長。花は見上げないとみれないぐらい。これが本来の姿だったのね🤣

地植えしてからは黒星病はほとんどでてません。風が建物によけられて直接あたらない場所なのでカイガラムシもつかない。う~ん、バラを楽して育てる要素に環境って大きいなと実感。

そうそう、デビットオースチンのつるバラ共通で感じていることがあります。

見違えるほど葉が元気になりました

イングリッシュローズの枝をフェンスに固定するとその枝ごと枯れる傾向があり、なるべく留めずに風に揺らすようにブラブラさせています。意外と折れないし。どうしても留めたいときはゆったりとさせてます。

エブリンではじめてステムキャンカーをつくってしまいました。イングリッシュローズは枝が枯れこむ傾向が強いので、枝の切り口は通常のバラよりも長めに切って分岐点で自然に枯れこみが止まるようにしたほうが枝ごと失うリスクが少ないです。(個人的経験からの意見ですけど)

また、切り口には癒合剤を塗布する、ハサミは清潔に保つなど注意が必要です。今はもう2度と手に入らないバラですから、大事にしないとね。

ステムキャンカー 枝のない側が枯れこんでいます

エブリン / 1991年 / デビットオースチン / イギリス / シュラブ / 樹高1.8m / 返り咲き / ロゼット / フルーツ香 / 強香