バラの病気・害虫対策

梅雨どきの黒星病対策

黒点病をなくそうと試したアレコレをまとめました。お悩みの方の参考になればと思います。(すべて地面植えのバラの場合です)

黒星病はどうやっても消えない

本などによると、雨によって土壌から菌が跳ね返って葉に着きいて繁殖すると書かれています。でも実際に育ててみると、なんか違うんですよ。

泥ハネしないようにと下草をびっしり植えたり、人工芝やタイルなどで物理的に土面がないように完全カバーしても黒星病が発症します。鉢に植える時に根を洗って完全に土替えをしていても発症します。

黒星病はそもそも土壌にいる細菌によるもので、地面に植える以上、これをなくすことはできないと私は考えています。 じゃあ、どう付き合っていくかです。

新芽に行う予防対策

春一番にでてくる赤い若芽。
これが3センチぐらい伸びた時に抗菌剤をかける方法。これが意外と効果がある!バラの専門家から「赤芽から抗菌剤を吸わせると枝に薬剤が入って耐性が付く」ときいて実際にやってみたところ目に見える効果がありました。使ったのはベニカXネクストスプレー 1000mlです。この方法をおすすめしたいのは、黒星病だけでなくうどんこ病にも一定期間の効力があることですね。

お礼肥のタイミングの再考

5月の開花のあと2番花のために追肥をするよう、バラ教則本には書いてあります。でも、ここで栄養をあげると確かに蕾は付くけれど、梅雨に入ると細菌もいっしょに栄養を得て増殖し、結果的に黒星病が蔓延すると考えています。

個人的な意見ですが、梅雨の中で2番花を咲かせても花腐りや花殻で汚れるので、追肥のタイミングは梅雨明けまで待つ方が病気がでにくいんじゃない?って考えています。また、梅雨の合間にあげる場合は液肥にして、土壌に栄養が長く残らない状態にしておくようにしています。

液肥の散布は面倒なのでタカギとハイポネックスが共同開発したかんたん液肥希釈キットを使ってます。普通の水と液肥を、本体のスイッチで切りかえるだけで普通の水撒きもできるから、とても重宝してる。装着するボトルは大小ともに使えます。

剪定にも予防の効果がある

うちのシェエラザードは梅雨時期になると60cmより下部にある細枝の葉が一斉に黒星病にかかります。逆に60cm以上の太枝には黒星病がでません。

そこで4年以上の株は春の花後すぐに枝の整理をします。一番太い枝を1~2本残して、細枝やひこばえは切ってしまいましょう。(ただし強いシュートは残します)雨で枝腐りする可能性もあるので梅雨入り前に実施し、特にカイガラムシがつきやすい枝はこのタイミングで落としておくと後々楽だったりします。

こうしておくと、雨で菌が舞い上がっても、そこに葉がなければ黄変した葉を拾う必要もなくなり黒星病による手間が減ります。株にとっても枝数が減ることで栄養が集中するので、辛い梅雨をしのぐバラへの手助けになります。プリンセス・シャルレーヌ・ド・モナコはこの方法で育てて、株が大きくなった今では全く黒星病がでなくなりました。

品種と薬剤、どちらにお金をかけるか

耐病性の強いといわれているバラは梅雨でもまったく病気がでないんですよね。 オールドローズから今年発表されたバラまでいろいろ地植えしていますが、 歴然とした差があります。

四季咲きだと、シャリマー、エデュアール・マネ、シャンペトル。つるバラだとフロレンティーナ、マリーヘンリエッテ、ルージュ・ピエール・ド・ロンサール。一季咲きだと、バルビエやペルペチュ、ロサムリガニーなどのオールドローズ。無敵、雨だろうと冷夏だろうと咲くし、葉も綺麗。

うちにあるバラだとオールドローズのルイーズオディエとラレーヌビクトリアは黒星病がすごくて葉が落ち丸坊主になります。そんなことはものともせずに2番花を咲かせるけど、雨のたびに落葉が汚くて、庭掃除が大変!

そう考えると、病気に強い品種はそれだけで薬剤や手間の節約ができてバラの育成が楽しくなります。耐病性についてあまり意識されていなかった昔の品種を低価格で買うよりも、最近発表された耐病性の強い品種を倍のお値段で買う方が、年月を経ていくとコストがかからないことにもなりますね。

バラを育てる楽しみは手間がないのが一番です。
最初の品種選びがかなり重要なので、バラショップの方やバラを育てている方に購入前にアドバイスをもらうことをオススメします。