宿根草の育て方, アトリエだより

バラの景色をつくる植物とは?

ローズガーデンのような素敵なお庭にするには、いっしょに植える草花が景観上のポイントになります。園芸店にいっても、その名前を知らないとなかなか手に取ることはなく、パンジーやペチュニアのような安くて長く咲く一年草で満足していませんか?

私のバラに合わせるおすすめの植物は「開花時期があうもの」か「器にいけたときに似あう」かのどちらか。育てやすく、バラとあわせて映える植物をいくつかあげてみましょう。

ジギタリス

バラとの取り合わせで有名なのはジギタリス。宿根なので一度植えてしまえば毎年咲きます。また、冬に株分けで増やすのも簡単。色合いはアプリコット、ピンク、パープル、ホワイトなど。品種改良品種ではスポッツがないものや、矮小性で背丈が60センチほどのスプレー咲きになるものなどもあり、バラの背景や前景に配置すると庭がよりいっそう華やかになります。

オルラヤ

私がバラを学び始めた時、最初に教えてもらった植物はオルラヤ・グランディフローラ。一度ポット苗を買って植えればびっくりするほど庭で増えます。花びらが落ちると道路や石に張り付くほど薄いため、掃除はやや面倒ですが美しさと強靭さはイチオシの1年草です。

白いオルラヤ、ブルー系のラベンダーとサルビア

ラベンダーとサルビア

ラベンダーやサルビアも涼しげな色合いが白バラ、ピンクのバラともに相性が良いです。ラベンダーは半日陰なら(暑さに弱い)フレンチラベンダーやイングリッシュラベンダーを、陽当たりがよいなら葉が肉厚のものを選ぶと越冬が楽です。越冬する際は必ず葉を残し、翌春に新芽がでてから枝の整理をすること。

サルビアは多様な色、種類があります。サルビアは繁殖力があり、病害虫に強く多肥料が好きなのでバラのそばに植えればいっしょに育てやすいでしょう。季節ごとにいろいろな色や形のサルビアが売られていますので、店頭やネットで見つけたら草丈を確認して植えましょう。(高生のサルビアは1メートルほどになるものもあるので注意が必要です)

ニゲラ

ニゲラは一年草なので種をとり毎年咲かせます。ニゲラはオルラヤよりも少し後、5月の中旬あたりから咲き始めます。花もかわいらしく、種ができて子房がぷっくりと風船状になった姿もかわいい。

ニゲラはホワイト、ブルー、ピンクがある

アナベル

アナベルの小花のぎゅっと集まった感じと色合いがバラによく合いますし、庭の一角で咲いている様子も愛らしい植物です。色はホワイトとピンクがあります。

西洋アジサイという名前がついていますが日本原産のアジサイ(紫陽花)とは違うものと思って育てたほうが失敗がないでしょう。育て方、剪定についてはこちらに書いています。

アナベルは枯れても美しい

クレマチス

クレマチスとバラは昔から相性の良さで知られています。つぎつぎと咲き、フェンスなどへの仕立てもつるバラといっしょにできることも大きいでしょう。

写真のクレマチスは「ビエネッタ」。一重の「モンタナ」、八重の「白万重」「エジンバラ」「ベルオブウォーキング」、平咲きの「テッセン」やセミダブルの「ジョセフィーヌ」「レディキョウコ」など、数えたらきりがないほど毎年魅力的な新品種が販売されています。

クレマチスにはてまり状以外にベル型もあり、「ダイアナ」「ケイト」がたわわに咲く様子は愛らしく庭を彩ってくれます。誘引はつるバラとあわせて行い、多少の手間はありますが日陰でもよく咲くので一度育ててみてはいかがでしょうか。

植えて2年目でこれだけ咲きました

ノイチゴとブルーベリー

バラといけるだけでなく食べられるものを!というならオススメはノイチゴ。ノイチゴには何種類かありますが、ジャンボタイプだと1年目から実が食べられます。

ノイチゴの実がついています(5月)

ブルーベリーの枝もバラとあわせると素敵です。
ブルーベリーはホームセンターなどで買うととても安く手に入ります。いろいろな品種がありますが、同じ品種で2株植えると実成りが良くなります。また、近くにオルラヤやバラなどがあると蜂がきてくれるので、よりいっそう受粉しやすくなります。ブルーベリーを買う時は甘くてなるべく粒の大きいものが良いでしょう。

ブルーベリーは4月に咲き、5月には実をつける

夏から秋にかけてはエキナセアやルドベキア。ユーパトリウム、都忘れや秋明菊なども風情があってバラに似合います。ご自分のバラ色にあわせて宿根草と球根植物を組み合わせると1年中花が咲いているお庭になるでしょう。