ローズコレクション

ブルー マジェンタ

我が家の顔というべき、40年近く咲いているバラがあります。姑に訊ねても名前を思い出せなくて、当時はバラをどう育てたらよいかわからず、困り果ててバラの名前探しを始めたのでした。

ビビッドな濃いピンク。ときどき薄いピンクに咲くこともあり、春に開花する房咲きのバラ。蕾には産毛がびっしりあります。トゲは適度にあるけれど、シュートにはほとんどトゲがない。

バラ友にきいても「蕾のヒゲは・・モス系?」「ドロシー?」「キング?」など人によって意見がまちまちで確証がなく、名前がでてくる品種を1つずつ花や樹形を見比べてみましたが該当するものがなく、わからないままでした。

自分が何年も育てるようになって、ふと確信したのがブルーマジェンタ(ブルーマゼンタ)というバラです。今ではあまり流通していない品種です。特徴的なのは、花弁の濃桃色に多少白っぽさが混じることです。ファイルフェンブラウより明るいピンクで、ドロシーとは異なる花形なのです。(ドロシーの方がずっと遅咲き)一見、エクセルサやキングに似ていますが、これらの枝に産毛はありません。

ブルーマジェンタはガリカ系のランブラーで早咲きでも遅咲きでもない一季咲き。一気に開花して10日ぐらい賑やかに楽しませてくれた後、あっという間に散って行きます。花弁が散ると掃くのが大変なので早めに花殻切りしてしまいます。

枝は扇形に伸びて自立します。太いサイドシュートが上向きにするっと伸び、その重みでゆるやかに枝垂れ、ともすると枝垂れた先で接地してそこに根を張り、ベイサルシュートを展開します。うちの樹は80センチ間隔でベイサルシュートがあがります。癖さえ覚えてしまえば剪定も誘引も楽なバラです。

花後に強剪定し、春先にいらない枝を整理するぐらいで簡単です。(株が4年を過ぎるまでは強剪定は止めておきましょう)充実してくると花数も増えますし、枝を適当に切っても驚くほど花付きがよいです。花の香りはほとんどありません。蜂は懸命に蜜をむさぼるので美味しいのかもしれませんけれど。

剪定は、つるバラと同じルールで切っています。咲かせたい位置の少し下で切れば、そこから伸びた枝先で開花します。シュートをつるバラのように横に留めると2メートルほどに伸び、次の春には脇枝からの開花がみれます。房前のため1か所からたくさんの花芽が吹き出すので枝が過密になるので風通しをよくするため間引き剪定をしています。これは花房同士がぶつからないようにするためと、うどんこ病とカイガラムシ対策のためです。病気を見つけたらほかに転移させないように専用のスプレーをシュっと撒いて退治しています。

梅雨時は黒点病にかかりますが見苦しい葉を取る程度で、樹勢は全く落ちないので放っておいて大丈夫です。追肥や施肥をしたこともないです。どちらかというと、地面に植えてあるチューリップやビオラのために肥料をあげています。(そのおこぼれで充分な様子)

どう剪定しても咲いてくれる、華やかなマジェンタピンクが通行人の眼を楽しませてくれる素敵なバラです。

Blue Magenta / 1933年 / ランブラー Hybrid Multiflora / 一季咲き / 房咲き ポンポン咲き / 微香 / 小輪 / 4m