ローズコレクション

紫枝(ズズ)

紫枝と書いてズズと読みます。
ズズのことを書く前に、まずは食香バラについて。

中国では古来から、観賞するバラを月季(ゲッキ)、つるバラのことを薔薇(ソウビ)、食用や薬用や香用に用いるバラを玖瑰(メイグイ)と呼びました。玖瑰はハマナスの一種(バラ科)です。中国ではメイクイ=バラ色(ピンク)を意味します。
*玖=王偏に攵が正しい。

中国のバラの谷と呼ばれる山東省平陰県で唐の時代から栽培され、近年になるまで国外に持ち出されなかった中国政府が認定した食用バラです。香りはダマスクの濃厚な香りです。

日本国内では豊華(ホウカ)と紫枝(ズズ)の2品種が2017年より流通しました。ホウカは一季咲きで多花、ズズは四季咲きと性質の違いがありますが、どちらも香りがよく育てやすい剛健な品種です。どちらもトゲがすごくあります。

サカタのタネ コラムより引用

「サカタのタネ」小杉 波留夫さんのコラムでは、食香バラについてより詳しいレポートが掲載されています。そちらにあった、ホウカとズズの花形比較をみると、ズズのほうがハマナスっぽい形状をしています。ロサルゴサの血筋なので、葉は一般的なバラと比べて厚みがあり、シワが多くカサカサしています。

私がズズを育て始めてから3年目の感想です。
アトリエのオーガニックゾーンに紫枝(ズズ)を植えています。

もともと、鉢植えで育てていたところ急に具合が悪くなり、慌てて地植えに変えました。水切れか、鉢の過熱かと思われます。

ズズの故郷よりも日本の夏の熱帯気候があわないらしく、地植えで根を冷やしながら育てるのがよさそうです。現在は、陽が半日あたる場所(半日蔭)に植えていますが高さ1メートルを超えて育ち、状態はとても良いです。シュートも旺盛です。

この冬、80センチぐらいのところで剪定しました。細枝でも花はつきますが、太い枝に絞って剪定中。その結果、春にはこんなに良く蕾がつきました。大きくなりすぎず、管理しやすいサイズです。枝の枯れこみもありませんでした。

花は50日前後で開花するので典型的な四季咲きです。秋が深まると、文字通り枝が紫色に紅葉し、エネルギーを蓄えた古枝が春をまちながらパワーアップしている様子がわかります。

枝は横張りに剪定した方が、株が広がって花に日差しが当たりやすいと思います。花が大きく頭を垂れやすいので、広がりのある空間に植える(置く)のがオススメです。

摘んだ花はそのまま水にいれてローズウォーターをつくって紅茶を飲んだり、花弁を摘んで乾燥させて食べたり、食用にしています。そのためまったくの無農薬で育てていますが、病気になりません。

葉が夏日で焼けることがるので、その時は葉をとれば元通り綺麗な葉がでてきますし、寒冷紗をかけて調整してあげてもいいかもしれません。

なかなか丈夫な品種だなと思っていたのですが、突然お亡くなりになりました。原因はカミキリ。隣の森から飛んでくるので防げない。ぐやぢいっ!😢

不明 / 中国 / ブッシュ / 四季咲き / 強香 / 八重咲き / 大輪 / 1.5m