ローズコレクション

カーディナル ド リシュリュー

カーディナル・ド・リシュリューは偶然アトリエにやってきました。

ローズショップでおまけとしてもらったブラッシュノワゼットの苗が、翌年開花してみたらカーディナル・ド・リシュリューだったのでした。

柔らかい色合いのバラだと思っていたのに濃紫紅のバラが咲いたときの驚きったら!

かわいいからそのまま育ててますけど、誘引のイメージがブラッシュノワゼットとは違ってくるのでガーデン設計も変わってきます。

カーディナル・ド・リシュリューは丈夫なので、誘引スペースさえちゃんと考えれば育成は手がかかりません。深みのある濃紫色のガリカ系オールドローズは一株で庭をシックにみせてくれます。

咲きすすむとやや青みがかり、その褪せた色合いも趣があります。まっすぐに蕾があがって顔が上向きなのもよいです。

1株でも、低めのフェンスに横に3メートル以上も仕立てることができます。早咲きのバラなので、いっせいに咲き始めた時は中輪ながら迫力があります。

トゲがほとんどないので人が通る場所に植えるのに向いています。子供が触っても危なくないのがいいですね。コンパクトなつるバラとして扱いやすく、価格も高くないし。

病気よりも、なぜかハキリバチに狙われます。葉がやわらかいせい?

カーディナル・ド・リシュリューという名前は、17世紀にルイ13世の宰相として知られたフランスの政治家・リシュリュー枢機卿から名づけられています。

肖像画をみると怖そうなヒゲのおじさんです。彼が深紅の装束や持ち物を愛用したことから、それが枢機卿スタイルとして確立され、今では枢機卿(cardinal)という単語に「深紅の」「緋色の」という意味が含まれるようになったそう。

そんな偉~いフランス宰相、今ではホームセンターで1000円程度で手に入ります。200年近く昔のバラが今も健在ってすごいですよね。

1847年以前 / ガリカ – gallica / 一季咲き / 中輪 / 微香