バラの育て方, アトリエだより

バラ選びのコツとは

バラを育てて10年が過ぎました。

早朝、花殻を摘んでいると「バラは手入れが大変でしょう?」と道行く方に声をかけられます。「実は手間のかからないバラがたくさんあるんですよ・・」この季節はバラについての立ち話ばかりです☺

バラを育ててみたい方には病気に強いバラを選ぶようにオススメします。育てやすいバラを選ぶだけで成功体験が得られるはずです。

すぐ近くにオザキフラワーパークがあり有名ブランドのバラは揃う環境ですから、なるべく作出年度の新しいバラを探しに実物を見に行ってみてとお伝えしています。

40種以上を育ててみて思うこと。

病気への強さは、植物本来の大きさまで育つとかなり改善されるなと感じることがあります。子どもの頃は病気がちでも大人になったら元気!みたいなイメージでしょうか。ファンタンラトゥールは育て始めは黒星病とうどんこ病まみれで手がかかりましたが、5年育てたところ全長3メートルほどに伸びて今は病気がほとんどでません。(月に1度ベニカをスプレー散布する程度のメンテナンス)

病気に強い品種選びで落胆することがありました。

黒星病やうどんこ病に強いとラベルに書いてあっても国内外メーカーによってレベル感にバラツキがあるんです。(本によってかなり表現に違いがあり、まぁビジネスの絡みかなと推測)育ててみたら、病気がちで参ったってことも多々あります。

役だったのがロサオリエンティスのHPです。

ロサオリエンティスのHPではバラごとにタイプが表示されています。自社ブランドのバラのタイプ付けだけでなく、国内外のバラを同一環境で数値化しているメーカーはここしかなく、本来であれば育種のための内部データであろうものを一般公開することで、結果的にバラ全体の普及や購買にものすごく役立っていると思います。

1企業の取り組みとして素晴らしい。

とはいえプロが育てる環境下での評価値と、自分の庭での環境要因(半日蔭だったり西日の敷地だったり)の違いによって、育てた時の実感に違いを感じることも多少あります。そもそもプロとは育成スキルが違うしね。

ところがタイプ1(無農薬でも育つ)と表記されたバラは、実際に悪条件で育てても病気もせず多弁な花を咲かせてくれます。農薬もまったく使わなくて。南向きのいい場所に植えると病気もなく良く咲いて。タイプ1のバラ、いくつか育ててみましたが本当にすごいです。

リベルラ(作出:京阪園芸)

というわけで、バラ初心者は初見で買う前にまずロサオリさんのHPを隅々まで読んで検討して!と大声でいいたい。例えば「リベルラ」を育てるにはスキルがいるけど、同じ波状弁咲きの「シュリンクス」や「カミーユ」なら初心者でも楽に育てられるはず。

「ペットを飼う前に飼育本を読め、飼ってからダメなことを知っても遅いから」といわれたことがあります。同じことがバラにもいえて、バラも一目ぼれで買う前に本やネットで特性を調べたほうが失敗が少ない、と失敗を重ねてきて思うのです。

毎年咲くクレマチス’ビエネッタ’